アメリカの販売手法​「ホームステージング」

中古物件が大半のアメリカでは、「ホームステージング」という販売手法、サービスが確立されています。
ホームステージングは、居住中の物件でも、空室でも、賃貸や事業用物件であっても、物件をきれいに整え、家具やインテリアを設置して、魅力的に見せる手法です。

ただ売りに出すのは、ただの“家”を売るのであって、“商品”にしてから売りに出したほうが、高く、早く売れるという考え方です。お客(買主や不動産会社)様の目線を意識して、きちんとパッケージして、商品にしているのです。モデルルームと似ていると思われるかもしれませんが、いわゆるモデルルームに比べて、売ることに徹しているので、コーディネートする人の趣向や主観を省いてあること、予算が少ないことが大きな違いです。

米国ASP(Accredited Staging Professionals)の創設者、バーブ・シュワーツ氏は1972年にホームステージングのコンセプトを考えたと言われ、ホームステージャーと呼ばれる人たちが多数活躍しています。 米国でのホームステージングは、居住中のお客様へのコンサルティングに始まり、実際の家の中の備品撤去や家具移動、最後に装飾をして、見違えるような状態にして売りに出しています。アメリカだけでなく、カナダ、フランス、アイルランド、イングランド、オーストラリア等、多くの国で、普通に存在している職業です。

日本では新築がほとんどという事情があり、モデルルームのようにするのは分譲マンションが大半で、中古や賃貸では主流ではありませんでした。商品というものは素材があり、きれいに包装されて、販売する人や方法があって売れていきます。売り方はたくさんあっても、“包装”という部分が欠けていたのかもしれません。むき出しで売っていて、それでも売れていた時代だったといえます。 

今後の日本の人口減少に伴い、不動産オーナーは、いかに自分の不動産を魅力的にするか、不動産会社は、そういう手段を持っているかが重要なポイントになってくるかもしれません。